確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力 |要約解説

統計学で「勝てる戦い」を見つけよう!

今回ご紹介する本『確率思考の戦略論』は、ビジネスにおける本質の法則を確率思考で説明する本です。
筆者の実績を元に出された「勝てる戦い探し」の戦略を知ることができます。


確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力 (角川書店単行本)

多くの読者から「マーケティングに携わる人は持っておくべき」と称賛されています。また、この本は営業職や企画開発、経営者、人事にもおすすめです。

著者は、経営危機にあったUSJをV字回復させた立役者のふたり

森岡毅
グルーバルマーケティング企業P&Gで知見を増やし、経営危機にあったUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)を黒字回復させたマーケター

今西聖貴
P&G時代に需要予測モデルの開発リーダーだったアナリスト

マーケター以外にこんな人にもおすすめ!

  • マーケター
  • 営業
  • 企画開発
  • 経営者
  • 人事

Ao年商1億から300億へと成長したIT系ベンチャー企業の拡大フェースでWEBマーケティングに携わっていた筆者が、『確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力 』を独自目線でご紹介します。

USJの危機を救った最強マーケター&アナリストが教える統計学

この本の筆者は、経営危機にあったUSJをわずか数年で来場者数600万人へと急増させたマーケターとアナリストのコンビが書いています。

2人とも元P&Gの出身ですが、P&Gのマーケティング部は世界でも有数のマーケター集団として知られており、そこでの経験と知識を生かし、奇跡のV字回復を成し遂げたのです。

USJのV字回復グラフ

確率を考え操作することでビジネスは成功できる

著者は「ビジネスの成否は確率で決まっている」といいます。また、その確率は操作可能だというのです。

この本では、そんな確率的戦略論が数式と文章で紹介されています

著者はビジネス上で起こったさまざまなことに仮説を数式として設定し、それを実証データで検証しています。

日本人は、企画や実行までには力を入れるものの、実証データの分析が不足しているといいます。

確率思考の戦略論では、この実証データの検証こそ重要であり、必ず行うべきだといっています。

 

 

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収益を上げるために重要なポイントは3つ

この本では、以下の3つが収益を上げるために重要な要素であるといっています。

収益アップの3つの要素

  • 自社ブランドへのプレファレンス
    プレファレンスについては次の章で詳しくお伝えしますが、簡単にいうと消費者の好みです。
  • 認知
    認知は、どれだけ多くに人に自社・商品・サービスを知らしめることができるかです。
  • 配荷
    配荷は、実際のニーズに対し、供給が十分に行えるかということになります。

この3つを高めることにより、収益は上がるのです。

マーケティングの本質「プレファレンス」とは?

プレファレンスとは、顧客(消費者)の好みのことです。

著者は、「ブランド・エクイティー」「価格」「製品パフォーマンス」の3つが、消費者のブランドに対する好みを決定するといいます。

この消費者の好みを「プレファレンス」といいます。

プレファレンスを構成する3つ

プレファレンスは、どんな業種・業態であっても市場構造を決定づけているのです。それぞれについて、内容を見ていきましょう。

ブランド・エクイティー

ブランド・エクイティーを高めることができると…

  • 特定の商品で同じ消費を出している競合よりも「特別だ」と選んでもらえる
  • 企業ブランドそのものに興味を持たってもらえる

消費者がブランド自体に期待や好感を持つことで、新商品や別の商品に対しても期待感や好感度を作ることができます。

関連記事:ブランディングの教科書: ブランド戦略の理論と実践がこれ一冊でわかる要約・感想レビュー

価格

価格の決定で考えるべきことは、価格の決定権があるのは上層部でも開発でも販売でもなく、顧客(消費者)であるということです。

一般的に企業としては売上のためには「できるだけ価格を上げたい」と考えます。

そこで、価格を上げるために「どう付加価値をつければいいか」「ブランド力を上げるか」と考える経営者やマーケターが多いかもしれません。

しかし、著者は、価格を上げることはプレファレンスを下げるといっています。だからといって価格を下げればよいということではありません

価格決定の考え方

プレファレンスで必要なことは、消費者が「自分が選んで買ったという満足感」や「これを買えてよかったという喜び」を与えることなのです。

関連記事:『世界一ずる賢い価格戦略』損しない価格設定の方法とは|概要レビュー

製品パフォーマンス

ブランドがどんなに良くても、製品パフォーマンスが良くなければ、価格への納得感は生まれないでしょう。

当サイトでは「カスタマーサクセス」の思考をおすすめしています。プレファレンスにもつながる考えなので、カスタマーサクセスについてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

 

カスタマーサクセスとは何か|デジタル時代を生き残る「お得意様戦略」とは


成功には「顧客に届くか」「原因と結果は何か」が重要

価値があっても知られて届かなければ意味がない

当サイトではカスタマー、カスタマーサクセスの思考が企業の成功には欠かせないと考えています。

この本では、さらにカスタマーサクセスを届けるためには「認知させる力」「欲しい人に行き届けられる配荷」も必要だといっていて、とても腹落ち感がありました。
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「知りたい情報と届ける」「欲しい人が手に入れられる」こと自体も、カスタマーサクセスの一部といえますね。
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実証データを振り返ることも重要
もう1つこの本でポイントだと思ったことは、実証データの振り返りです。

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データをもとに企画を立てたなら、必ず振り返りをすることで、市場の本質が見えてきます。市場の本質を知ることで、実情にあった戦略を立てることができるでしょう。

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この本では実際にUSJをV字回復させた実証データにはどのようなものがあったのかを紹介し、その仮説と実際の効果を紹介しています

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意外なデータの検証まで行っていて、非常に面白い内容となっていましたので、この実例も発想力に刺激がありました。
同時に「消費者データの危険性」にも触れています。これも市場を理解するためには、知っておくべき重要な事項で、とても勉強になるので、ぜひ本を読んでみていただきたいです。
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数字が苦手という人でも、消費者理解の切り口を考え、実際に計測してみて比較してみると、非常に面白い消費者心理が見えてきます。
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やみくもなマーケティングよりも、データによりリアルな顧客ニーズを発見できる『確率思考の戦略論』、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか?

Ao

今回ご紹介した本の購入はこちらから

確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力 (角川書店単行本)

  • 出版元: KADOKAWA
  • 発売日:2016/6/2 

【目次】

序章  ビジネスの神様はシンプルな顔をしている

第1章 市場構造の本質
第2章 戦略の本質とは何か?
第3章 戦略はどうつくるのか?
第4章 数字に熱を込めろ!
第5章 市場調査の本質と役割
第6章 需要予測の理論と実際
第7章 消費者データの危険性
第8章 マーケティングを機能させる組織
解説1 確率理論の導入とプレファレンスの数学的説明
解説2 市場理解と予測に役立つ数学ツール
終章 2015年10月にUSJがTDLを超えた数学的論拠

 

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