『売れる脳科学』感想・要約レビュー||心理学よりダイレクトな説得力をビジネスに生かそう

人間の脳の性質を生かすマーケティング

売れる脳科学は、心理学よりさらに根源的な人間の脳の本能にアプローチするマーケティング手法が紹介されている本です。

脳科学の世界では、人間は何かを選ぶとき、思考よりほんの少しだけ先に、脳が体に指令を送っているということが分かっています。

心理より先に行動があるということは、行動の指示を出す脳に訴えかけるマーケティングができれば、行動により心理も動かせるといえるでしょう。

今回は、脳のメカニズムを研究する脳科学をマーケティングに落とし込むという、面白い視点の本売れる脳科学をご紹介します

著者は20年にわたる脳研究で情報戦略支援のプロ

クリストフ・モリン、パトリック・ランヴォワゼ共著
両者は脳科学をビジネスに生かすため、脳科学以外にも神経科学、メディア心理学、行動経済学なども併せ、20年以上研究を行ってきた人物である。

こんな人におすすめ

  • マーケター
  • 営業
  • 経営者 など

Aoスタートップから年商300憶に成長したIT系企業のマーケティング部で経験を積み、フリーランスとしても50社以上と取引のあるAo。今回は、脳科学の専門書を読み漁ってきた視点も併せて『売れる脳科学』をご紹介します。

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戦略に落とし込める脳科学が分かる

『売れる脳科学』は、脳科学を用いて人の行動原理をひも解くだけでなく、それを実際のビジネス戦略にまで落とし込めるよう解説されているところが素晴らしい本です。

脳には2つの種類がある

原子脳
生存機能をつかさどり、本能や情動をコントロールする脳です。

 

理性能
後天的に発展した脳で、認知・学習・判断・制御などをコントロールする脳です。

簡単にいうと、原子脳は「欲求根源」であり、理性脳は「心理学の分野」といえるでしょう。

ということで、この本では特に原子脳にアプローチするマーケティングについて詳しく解説されています。

原子脳を説得する6つの脳刺激

「原子脳にアプローチする」という考え方は、実に面白い考え方ですよね。著者は「ニューロンに刺激を与えて活性化させることで、原子脳を説得できる」というのです。

6つの刺激とは

  • 個人に関わる刺激
  • 対比できる刺激
  • 具体的な刺激
  • 記憶に残る刺激
  • 視覚的な刺激
  • 感情的な刺激

原子脳は「欲求の根源」ともいえるので、この考えは非常に分かりやすいですね。

たとえば、過去に「美味しかった」「痛かった」などの刺激をビジネスに利用できるのです。

これを知っていると、ダイレクトな欲求を呼び覚まし、購買意欲に結びつけることができます

特に、「痛み」は人間の原子脳が非常に反応しやすいとこの本では解説されています。

このことは、別の書籍でも見かけた話題なので、とても納得感がありました。


シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは

 

こちらの本は、お客がモノを買ってしまう心理を具体的なエビソードで解説する良書です。

 

こちらのなかでも「痛み」の経験が、購買意欲につながった実例が紹介されていたので、気になる方は読んでみると面白いですよ。

脳科学はこんなことに活用できる

では、実際に脳科学は戦略としてどのようなことに使えるのでしょうか?

●ブランドと主張を結び付け、競合と差別化を図れる

●価値や主張を受け入れさせベネフィットを実証できる

原子脳に訴えかけられるからこそ、相手への説得力は強いといえます。ちょっとサブリミナル効果を思いおこさせる内容ですね。

原子脳を理解することで、効果的なメッセージを相手の根底にまで伝えられる「脳に響く説得モデル」を手に入れたい方は、ぜひ一度『売れる脳科学』を読んでみてはいかがでしょうか?

Ao

出版社 ‏ : ‎ ダイレクト出版
発売日 ‏ : ‎ 2019/6/10

 

【目次】

Chapter1
脳に訴える説得モデル
ニューロマーケティングはなぜ革新的なのか?
ニューロマーケティングと従来のマーケティングとの違い
ニューロマーケティングへ投資した成果

 

PART1
説得の科学を解き明かす

 

Chapter2
?脳を覗く
メッセージに対するオーディエンスの反応を測定する
注意、感情、判断のネットワーク

ニューロマーケティング調査の測定

 

Chapter3
NeuroMap
脳に響く説得モデル
一般的な説得理論の特長と限界
原始脳の優位モデルNeuroMapは何が優れているのか

 

Chapter4
6つの刺激
6つの刺激を利用すれば原始脳を説得することができる
個人に関わる刺激
対比できる刺激
具体的な刺激
記憶に残る刺激
視覚的な刺激
感情的な刺激
6種類の刺激を組み合わせる

 

Chapter5
痛みを診断する
行動に影響を及ぼす要因を明らかにする
なぜ痛みは購買行動を促すのか?
意思決定に至る要因と痛みの関係
痛みについてのケーススタディ

 

Chapter6

主張を差別化する
クライアントがあなたから?購入すべき3つの理由を明らかにする
一貫性のある力強い主張をしている有名ブランド
主張を明確にするための3つのステップ
B2Bクライアントはどんな主張を訴えているか
ブランドと主張を結び付ける

 

Chapter7
ベネフィットを実証する
価値の主張が正しいことを相手に受け入れさせる
脳の活動から見たベネフィットの計算
価値を符号化して記憶する
バリュープロポジション-最大の価値を提供する
3つの価値のカテゴリー
4種類の証拠-価値を証明する
3種類のコスト-痛みとしての経験
ベネフィットの方程式

 

Chapter8
?原始脳に伝える
?説得の元素と説得の触媒に従って効果的なメッセージを作る
6つの説得の元素
説得の元素? つかみ
説得の元素? 主張
説得の元素? 全体像
説得の元素? ベネフィットの証拠
説得の元素? 反論のリフレーミング
説得の元素? 締めくくり

 

7つの説得の触媒
説得の触媒?「 あなた」
説得の触媒? 物語
説得の触媒? カリスマ性
説得の触媒? 対比
説得の触媒? 指導手段
説得の触媒? 感情
説得の触媒? 絞り込み

 

PART2
説得の理論を解き明かす

 

PART3
説得のプロセスを解き明かす