『ファシリテーションの教科書』ファシリテーションの役割・スキルとは|要約・感想レビュー

ファシリテーションとは?求められるスキルや役割

ファシリテーションとは、会議の進行役として知られていますが、ファシリテーションに求められるスキルは単なる司会進行のみではありません

この記事はファシリテーションスキルを学べる『ファシリテーションの教科書―組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップの紹介と、ファシリテーションの概要を解説するものです。

この本では、ファシリテーションスキルは単なる会議進行スキル以上の、組織を活性化するコミュニケーション力や、人がついてくるリーダーシップ力を養うことにもつながるといっています。

ファシリテーションの役割

ファシリテーションスキルはあらゆるビジネスパーソンにとって非常に活用できるスキルであり、『ファシリテーションの教科書―組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ』はその理解と実践のためにおすすめしたい良書です。

この本でファシリテーションスキルを学べば、限られた会議の時間を有効に活用し、参加者全員が活発な意見を出し合い、実践可能で最良な結論を導きだせる方法を知ることができます。ぜひ、最後までお読みください。

<こんな企業におすすめ!>

  • 無駄で人的リソースが取られている
  • ファシリテーションスキルが欲しい
  • 従業員全員が生産性のある議論をして欲しい

【この本で得られる知識】

  • 人の意見に流されず、自分の意見を押し付けないファシリテーションの方法
  • 課題と現状を整理し、あるべき姿へ意見をまとめる力
  • 組織の潜在能力を引き出し、最強の組織へ導く技術
  • 営業にも役立つ聞く力と話す力

経営に関する社会教育と投資を行う企業グループが作った本

この本は、社会に創造と変革を起こすビジョンを掲げる企業グループ「グロービズ」が出している本で、筆者はグループの1つ、グロービズ経営大学院の吉田素文教授です。

<こんな人は読むべき>

  • 経営者、役職、リーダー
  • 全ての従業員
  • 営業


紹介者は、ライティング育成セミナーやマーケティング知識向上セミナーなどの主催経験があり、座談会で複数社への取材も行ってきました。また、『ファシリテーションの教科書』を元に参加者30名の有意義な会議ファシリテーションを経験があります。
そんな紹介者の独自視点から、すべてのビジネスパーソンにおすすめしたいファシリテーションの教科書―組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップをご紹介します。

ファシリテーションとは組織を統率するコアスキル

ファシリテーションとは一般的には「会議進行役」と捉えられますが、この本では、リーダーシップ発揮のための中核となるスキルであるといっています。

どんなスキルか完結にいうと、

組織の目標に能動的に取り組める「腹落ち感」を与える能力

といえます。

リーダーとして自分の思いを押し付けるのではなく、会議の場で「引き出し・決めさせ・自ら動くことを助ける」ことによって、メンバーに「腹落ち感」を与えるのです。

この腹落ち感」があってこそ、組織は同じ目的に向かって走り出せるでしょう

関連記事:『リーダーシップ・エッセンシャルズ』で成功体質になろう!

ファシリテーションスキル「仕込み」と「さばき」で会議を導く

メンバー全員に「腹落ち感」を与えることが容易ではないことは、これまでの会議の経験でご存知のことでしょう。

しかし、以下の2つのファシリテーションスキルを身に付けることによって達成できること、この本はいいます。

ファシリエーターの必須スキル

  1. 会議までの「仕込み」
  2. 会議中の「さばき」

この2つについて、後の章で事例を交えて具体的な内容が紹介されています。


「仕込み」で“あるべき議論の姿”を設計する

「仕込み」とは、ファシリテーターが会議までに行っておくべき準備です。

複数での話し合いでは議論が関係ない方向へ進んだり、まとまらなかったりすることがあります。

会議を無駄な時間にせず、全員が腹落ちでき、実りある結論を出すためには、「どんなことを話し合うべきか」「どんなことは話す必要がないか」など具体的な内容を決めておくとよい、とこの本は伝えています。

ここでは、具体的にどんなことを準備しておけばいいのか明確に書かれています。これに沿って準備をしておくだけで、議論は充実したものとでき、納得性のある結論に到達する可能性があがるでしょう。

「仕込み」で必要な準備
・出発地点と到着地点を決める
・参加者の理解度や認識、態度などを知っておく
・論点の洗い出し、絞り込み、深めておく
・問題を明確にし、場の目的を共有しておく など

こうした細かな具体的な事項が1つ1つ説明されているので、非常に分かりやすいですよ。

関連記事:『全員戦力化 戦略人材不足と組織力開発』 感想・概要レビュー|生き残るための人事戦略


「さばき」で、議論を活性化し、ゴールへ導く

「さばき」とは、会議当日のファシリテーターが行うべき思考や言動など会議の仕切り方です

「さばき」を学ぶと身に付く能力
・発言を引き出し、理解する力
・議論を方向づけ、結論づける力
・対立をマネジメントする力 
・感情に働きかける力 など

具体的に説明があるので「ファシリテーターが苦手」という人でも、自分がどんな行動を取ればいいのか、予期せぬ事態にどう対応すればいいのかまで分かります

ゴールは「参加者らが生産性のある議論をする場づくり」

ファシリテーの「本当のゴール」は結論を出すことよりも、参加者自らが腹落ち感を持って会議に参加し、生産性のある議論ができる場を作るということです。

つまり『ファシリテーションの教科書』から学べることは、1つの会議を成功させるというよりも、メンバーが生産性のある議論をできる場を提供できる能力を身に付けるということなのです。


ファシリテーションスキルは、リーダーに必要不可欠

私がこの本をおすすめする理由は、この本に紹介されているファシリテーションの能力は、会議を成功させるための能力というだけでなく、組織のリーダーシップにつながるスキルが分かるからです。

 

この本で具体的に紹介されているファシリテーションに求められていることは、実は経営社やグループをまとめる人、あるいは営業にとっても役立つ技術なんです。

 

本当に目指すべき姿と現状のギャップを俯瞰的に把握し、その議論で何を話すべきかを整理し、事前にメンバーに共有する。

 

ここはたとえば、社内の売上目標について、その背景やなぜ目指すのかを共有し、どんなことを話し合うべきか共有しておくということに置き換えられるでしょう。

 

そして、メンバーが腹落ち感を持って、その目標を達成するために話し合う場を用意し、道筋だてることで、メンバーは自らが生産性のある議論をするようになります。

 

そこから得られる結論は会社にとっても、メンバーにとっても、ワクワクするような達成したい目標となり、全員で能動的に取りかかれることでしょう。

 

この場を提供できる能力は、リーダーシップです。

 

営業でも、クライアントが腹落ち感を持って「この会社に頼みたい!」「一緒に仕事について悩んで欲しい」と思わせることができれば、常連顧客にすることもできるのです。
.

常連客にすることのメリットについては、下記の本も参考になりますよ。
『一生お客に困らない常連システムの作り方』要約レビュー

「リーダーの教科書」「営業の教科書」であり、個人のスキルアップとしても非常に内容が濃く、整理された『ファシリテーションの教科書―組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ』、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか?