『全員戦力化 戦略人材不足と組織力開発』 感想・概要レビュー|生き残るための人事戦略

時代の変化に負けない人材戦略のコツを学ぼう

労働人口の減少により若い働き手が減ってくる未来。これまでの常識で経営していくことは増々困難になってくるでしょう。
経営者は人材の確保だけない、新しい人材の活かし方を学ぶ必要あがります

『全員戦力化 戦略人材不足と組織力開発』は、チーム力を高め、総合的な人材マネジメントを行う方法が分かる本です。

■この本で得られる知識
今後の企業が考えるべき人材
人材を生かす組織力の考え方

著者は、経済学部教授で人材マネジメント研究者

著者は、守島基博氏。学習院大学経済学部で人材論・人材マネジメント論専攻する経済における人材マネジメントの研究者

主な著書に『人材マネジメント入門』『人材の複雑方程式』『21世紀の“戦略型”人事部』『人事と法の対話』などがある。

■こんな人におすすめ
経営者
人事
起業家

人材派遣会社で、業界第1の飲食チェーンの人材パートナーとして「店長クラス人材」をマネジメント。事業部主任として自社とクライアントの人材育成を経験してきたAoが独自目線で『全員戦力化 戦略人材不足と組織力開発』をご紹介します。

Ao

「忙しくて本を読む時間がない!」そんな人は、通勤時間の合間に聞ける聞く本「Audible (オーディブル) 」。


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働き方が大きく変化する時代の到来に備えよう

少子高齢化、労働人口の減少、グローバル化、AIの発展による労働者の変化

さらに国が勧める働き方改革やアフターコロナによる個人の働き方の変化によって、人材不足が企業の大きな課題となっています。

人材管理の悩み

これまでの常識で人材を採用、育成、雇用していくことが困難な時代を迎え、会社はどう人材不足を解消していけばいいのでしょうか?

組織で戦う

この本では新しい時代の人材マネジメントとして「組織力の開発が重要である」といっています。

組織力を構成する一般的な要素を考えてみましょう。

■組織を構成する一般的な要素
必要な人材の確保

人材の育成
採用コスト
販管費(昇給)

離職率

こうした物事はこれまでのビジネスでも重視されてきました。では、これからの人材マネジメントでは特に何に注力すべきでしょうか?

この本では特に以下の7つが重要であるとしています。

■これからの人材活用に必要な要素
全員戦力の思考

組織力
職場づくり
「働きがい」と「働きやすさ」
一体性・人材マネジメント
人事管理の公平性確保
愛着心

この要素を詳しくみていきましょう。

 

これから求めるべき人材の価値とは

企業が求める人材は、“経営上必要なことを行える人”のことを指します。
人材にはいくつかの特性が考えられますよね。

・仕事のスキル
・コミュニケーション能力
・訴求力・折衝力
・専門性
・協調性
・共有能力
・カリスマ性
・語学力
・分析力 など

ほかにもありますが、これらが全て備わっている人はそうそういないでしょう。しかし、何かが欠けているからといって、会社にとって不要な存在というわけではありません。

補い合う組織力で考える

重要なことは、会社の経営にとって必要な人材が揃っているかということです。役割は個々に違っても、補い合うバランスが重要なんですね。

つまり、組織力とは、全ての従業員のトータルバランスで評価できるものでしょう。

仕事にする姿勢も重要

別軸で考えたいのは、人材の質です。ここは能力というより、やる気や姿勢がポイントです。

どんなに能力が高くでもやる気がなかったり会社の理念に共感していなかったりする人材は、不適切になります。

このように人材を採用する際に重視すべきことは、単純な能力や人間性と、全体のバランスです。

また転職が当たり前になった時代だからこそ、依人化しないシステムの構築も必要でしょう。

人材育成の概念を変える

これまでの日本では、とりあえず人数を揃えて教育していき、数年後に戦力になってもらうという考え方が主流でした。

しかし、今後はその人材育成の概念を変える必要があると著者はいっています。

新卒は3年以内に3割以上が離職するものと考える

厚生労働省によると、昭和62年~令和2年までの新卒採用での就職率と離職状況は以下の通りです。

新卒の就職率と離職状況※1

特にここ数年を見ると、就職率は非常に高い数値を示していますが、離職率が3割以上であることが分かります。

就職率が高い理由は労働人口の減少による求人倍率の上昇が考えられます。
一方、離職率の高さには、現代社会が抱えるいくつかの問題が考えられます。

転職しやすさ

離職者が多い要因
社会全体として転職に対するハードルの低下
若者の働き方に対する意識の変化 ほか

こうした状況を受け、会社は単純に採用人数を確保し、教育して人材を補充していくとう考え方が難しくなったのです。

これに加えて、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による働き方の変化が、今後大きな影響を及ぼす可能性があります

人材育成では、まず戦略を立てる

ここで組織力という話に戻りますが、これからの人材育成はまず「事業戦略ありき」で考える必要があるでしょう。

もちろん、これまでも事業戦略があって人材の育成をしてきました。しかし、育てても離職されてはコストや手間がかかり、目標が達成できなできないのです。

この本では、以下のような人材マネジメントが求められるといっています。

これからの人材活用
1、組織として必要な人材を考える
2、現場レベルの人材把握を行う
3、古い人事評価制度から脱却する
4、ここで働き続けたいと思える会社である

『全員戦力化 戦略人材不足と組織力開発』には、人材マネジメント研究者の立場から、これらについて1つひとつ、参考になる有益な見解を紹介していますよ。

新時代の人材採用への転換期が来ています!

今回、『全員戦力化 戦略人材不足と組織力開発』をご紹介した理由は、今後も長く企業が生き残っていくためには、人材についてこれまでの形を崩すタイミングが来ていると感じたからです。

この本はビジネススクールや商学研究を行う経済学部の教授が現在の日本企業が抱えている人材不足の問題を解決するために提唱した内容になっています。

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守島教授は、人材マネジメントを通じて全員戦力化を進め、組織力を高めることが、これからの企業には必要だといっています。

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長年の研究結果から生み出された組織力を強化するポイントが、納得性のいく内容で詳しく書かれています。

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人材活用の新しい視点を取り入れたい企業の経営者やこれから会社を興したいと考えている起業家の方は、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか?

Ao

今回ご紹介した本の購入はこちらから

『全員戦力化 戦略人材不足と組織力開発』

 

日本経済新聞出版 (2021/7/9発売)
単行本(ソフトカバー240p)

第1章 人材不足と「全員戦力化」
第2章 組織力という考え方
第3章 職場に宿る組織力
第4章 従業員が働きがい・働きやすさを感じる組織
第5章 組織力としてのインクルージョン
第6章 組織力としてのミドル
第7章 変容するチーム
第8章 組織力としての公平性確保
第9章 働く人のココロをつかむ力
終章 コロナウイルス感染拡大が要請する組織と人材の革新

※1 出典;新規学卒者就職率と就職後3年以内離職率,厚生労働省